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FX取引を始めると、学ぶことがたくさんあるように感じるかもしれません。ただ、すべての通貨ペアが等しく創造されているわけではないということはどのトレーダーもすぐ実感します。
メジャー通貨ペアは世界中で最もよく取引されており、FX市場の骨幹を成します。人気の理由は取引高だけでなく、他の通貨ペアより流動性が高くスプレッドが小さくなる傾向がある点も魅力になっています。
メジャー通貨ペアは世界最大級の経済大国と関連しており、より大局的な金融トレンドがつかめるため、ペアについて詳しくなることは重要です。また、インターネットで詳細な情報や分析を見つけやすいため、取引を慎重に始める簡単な方法になる可能性もあります。
通貨ペアはメジャー、マイナー、エキゾチックの3つに大別されます。中でもメジャーペアは特別な地位にあり、世界市場での取引高と流動性が最大となっています。では、ペアを「メジャー」と分類する基準はどこにあるのでしょう。
メジャー通貨ペアの一方は常に米ドル(USD)であり、他の主要経済国の通貨と組み合わせてペアとなります。USDが常に含まれるのは偶然ではなく、世界の主要準備通貨であり、FX総取引高の90%近くを占めています。
メジャー通貨ペアは流動性の高さで有名であり、大幅な値動きを促すことなく大量の売買が可能です。流動性が高いとスプレッド(ビッド(買い値)とアスク(売り値)の差)が小さくなるため、流動性は極めて重要な要因です。スプレッドが小さいほど取引コストは低下するため、メジャー通貨ペアは個人・機関の両方の投資家にとって一段と魅力的です。
さらに、これら通貨の発行国は注目度が高く、最新の金利、雇用統計、GDP成長率などの経済指標が定期的に発表されます。このように情報がコンスタントに流されるため、メジャーペアのボラティリティはエキゾチック通貨ペアと比べて低く抑えられ、短期・長期の両方の戦略で取引環境の見通しが立てやすくなっています。
FX市場では「メジャーペア」とは取引高が最大クラスの通貨ペアを指し、そのすべてが米ドル(USD)と他の主要世界通貨との組み合わせです。これらのペアは、高い流動性、タイトなスプレッド、世界経済で果たす重要な役割により、FX取引の基盤となっています。
7つのメジャー通貨ペアをそれぞれ詳しくみていきましょう。
EUR/USDは世界で最も取引高の多い通貨ペアです。ユーロ圏の通貨であるユーロが米ドルと組み合わさったこのペアは、世界経済の健全性を測るバロメーターとなっています。スプレッドのタイトさとボラティリティが比較的小さいことで知られ、トレーダーから人気があります。
USD/JPYは米国と日本の間の金利差に大きく左右されるペアです。円は安全資産通貨とみられることが多いため、このペアは景気の先行きが不透明な局面で注目度が高くなります。流動性の高さにより世界で最も活発に取引されているペアの1つになっています。
「ケーブル」と呼ばれることもあるGBP/USDペアはボラティリティの高さと値動きの激しさで有名です。英ポンドは英国の経済と政治情勢に大きく影響されるため、このペアはブレグジットなどの不透明感が漂う場面で注目の的になります。
USD/CHFペアは時に「Swissie」と呼ばれることもあるメジャーペアの1つです。スイスフランは円同様、安全資産通貨と見られることが多く、市場混乱時に頼れるペアとなっています。スイス経済の安定性と中立性がこのペアの魅力を高めています。
AUD/USDは、オーストラリア経済を牽引役となる金や鉄鉱石を中心に、商品(コモディティ)価格の影響を受けます。そのため、商品相場の変動に乗じた取引に利用されることが多く、他のメジャーペアより変動が激しくなりがちです。
「Loonie」という別称を持つUSD/CADペアは、カナダが原油の主要輸出国であるため、原油価格と密接に関連します。原油相場の変動に大きく左右され、商品取引に携わるトレーダーから特に注視されます。
NZD/USDは、酪農製品を中心とするニュージーランドの農業輸出の影響を受けます。AUD/USD同様、商品価格の変動によく反応し、アジア取引セッションでの取引高が大きいのも特徴的です。
上記7つのペアはメジャー通貨ペアと広く認められていますが、トレーダーや金融筋の一部は、取引高が圧倒的であることから、最初の4ペア(EUR/USD、USD/JPY、GBP/USD、USD/CHF)を「中核」メジャーとして他のメジャーペアと区別している点にも注意が必要です。
残りの3ペア(AUD/USD、USD/CAD、NZD/USD)は各国経済における天然資源への依存度の高さから「商品ペア」と分類されることもよくあります。
こうした区分は、トレーダーやアナリストに応じたメジャーペアの分類方法の細かな違いを浮き彫りにするものですが、実務的には7ペアすべてについて取引開始前に知っておくことが不可欠です。
メジャー通貨ペアの取引には、トレーダーにとって魅力的なメリットがいくつかあります。主なものを以下に挙げます。
メジャー通貨ペアを取引する最大のメリットの1つが流動性の高さです。流動性が高いと、価格に影響することなく市場で資産を売買するのが簡単になります。
メジャーペアには世界で最も取引される通貨が含まれるため、売買活動がコンスタントに行われます。流動性が高い場合、注文が多額であっても、大きなスリッページが発生することなく、すばやくポジションを構築、解消できます。
メジャー通貨ペアの流動性の高さは、もう1つのメリットであるタイトなスプレッドの一因となります。スプレッドとはビッド(買い値)とアスク(売り値)の差であり、流動的な市場では、この差が最小限になるため、取引コストが安く抑えられます。
これは、頻繁に取引を繰り返して小刻みに利益を重ねていくスキャルピングなどの短期戦略を取るトレーダーにとって特に重要なメリットです。取引コストが低いと全体的な利益率を大きく向上させることができます。
メジャー通貨ペアは世界最大の経済国の通貨であるため、経済データとニュースに事欠かないため、透明性が高くなり、トレーダーはGDP成長率、物価上昇率、中銀政策などの経済指標に関する情報に基づき決断を下すことができます。
さらに、メジャー通貨国の経済は比較的安定的であるため、先行きを見通しやすいというメリットもあります。この点は、経済報道が乏しいため透明性が低く、経済状況がより変動的なエキゾチック通貨ペアと比べると顕著です。
メジャー通貨ペアはFX市場で最も人気があるため、あらゆる取引プラットフォームで広く利用できます。このように広範にアクセス可能なため、トレーダーはメジャー通貨ペアの取引用に作成されたリソース、ツール、教材を多数見つけることができます。
さらに、金融ニュースの報道機関はこれらペアを幅広く取りあげるため、取引に影響する可能性のある最新動向も常に把握できます。
GBP/USDのように変動的なペアもありますが、EUR/USDや USD/JPYなどの残りのメジャーペアは、ボラティリティが低いのが通例です。
価格変動が小さく、経済の基礎的要因をより明確に反映する安定的な取引環境を好むトレーダーにとって、ボラティリティの低さは魅力的です。こうした環境にはテクニカル分析が適用しやすく、相場動向の見通しが立てやすくなります。
メジャー通貨ペアには安全資産通貨と見なされるものがいくつか含まれます。スイスフラン(CHF)と円(JPY)はその代表例です。世界経済の先行きが不透明であるか市場が混乱している時期には、これら通貨は安全資産として高く評価される傾向にあります。
安全資産通貨を含むメジャーペアの取引では、リスクをヘッジしたり、市場地合いのシフトを取引チャンスにつなげたりすることができます。
メジャー通貨ペアには多数の長所がありますが、課題もあります。取引を始める前に、以下のデメリットを心に留めておきましょう。
EUR/USDやUSD/JPYなどのメジャー通貨ペアは個人投資家から、ヘッジファンドや銀行などの機関投資家まで、多数のトレーダーを引きつけています。
こうした競争の激しさから市場効率が高くなっており、利用可能なすべての情報がすばやく値動きに反映されます。その結果、非効率な点を見つけたり、競争上の優位を獲得したりするのがより困難な可能性があります。
タイトなスプレッドは取引コストの低下につながるため通常メリットになりますが、取引あたりの利益も小さくなる可能性があります。大きな値動きから多額の利益を得ようとするトレーダーにとって、この点は特に重要です。
取引ごとに多額の利益を出す余地が小さいため、取引頻度を増やす必要が生じる場合、複雑さが高まり、市場リスクにさらされる場面が増えます。
メジャー通貨ペアのボラティリティの低さはリスク回避型のトレーダーにとってメリットになりますが、相場が大きく変動する局面で多額の利益獲得チャンスを求めるトレーダーにとってはデメリットになる可能性があります。例えば、安定的な市場では、取引好機が少なくなります。
そのため、大口ポジションを構築するか、より積極的な戦略を立てない限り、多額の利益を上げるのは難しくなります。
メジャーペアは米国、ユーロ圏、日本などの世界経済大国の経済指標と密接に関連しています。GDPデータや雇用統計、中銀発表などの経済指標は取引チャンスを提供しますが、ペアの動向を大きく左右します。
経済ニュースに反応しやすいと、相場の急騰や急落につながりやすく、こうしたデータが引き起こす一時的な値動きに不意を突かれると、取引規律が乱れることがあります。
メジャーペアは個人トレーダーだけでなく大手機関にもよく取引されます。そのため、過剰な数の市場参加者が同じサイドで取引することで、取引が殺到する場合があります。
例えば、米ドル高が広く予想されている場合、かなりの数のトレーダーが米ドルペアを買いに走る結果、市場が飽和状態になって、新しい情報に反応しにくくなり、利益獲得の可能性は縮小します。
メジャー通貨ペアは、各国中銀の金融政策に大きく影響されます。例えば、米連邦準備銀行の動きは米ドルの、欧州中央銀行はユーロの動向に強く作用します。こうした政策は先行きを見通しやすくする一方で、リスクも生み出します。
予想外の利上げ/利下げや金融政策のシフトに市場が大きく反応した場合、不意を突かれたトレーダーは大損を被る可能性があります。中銀の政策決定を注視するあまり、他の市場要因が見過ごされがちになり、特定の経済事象での取引機会が限定されてしまいます。
メジャー通貨ペアは、FXについて学び始めたばかりのトレーダーには格好のスタート地点となります。世界最大経済との関連性の高さだけでなく、流動性の高さやスプレッドの小ささも、多数のトレーダーが注目する理由です。他の市場に乗り出す前に、その仕組みをよく知ることが肝要となります。
上述したとおり、メジャーペアは主要経済ニュースに反応しやすく、監視しやすいというメリットがあります。それでも、予想外の展開は生じ得ます。世界情勢に目を光らせ、堅実な取引計画を立てておくことが重要なのはそのためです。
メジャー通貨の取引は、ニュースを見逃さずに、よく練り上げられた戦略に忠実に従っていれば、FX取引の強固な基盤を築き、他の通貨への踏み台になります。