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このガイドは、FX取引に興味があるものの、トレンドの特定と利用方法がわからないトレーダーを対象としています。FX取引チャートとパターンは100%確実なわけではありませんが、通貨ペアを売買する好機を判断するうえで役立つ可能性があります。
FX取引には通貨ペアへの投機が伴います。具体的には、ある通貨を別の通貨と交換します。FXペアは、基軸通貨と決済通貨で構成されます(例USD/EUR)。FXを取引する場合、1単位の基軸通貨(スラッシュの左側に表示)を購入するのにその時点でどれだけの決済通貨(スラッシュの右側に表示)が必要かに注目します。
つまり、FX取引では、ある通貨の買いと他通貨の売りが同時に行われます。基軸通貨と決済通貨の相対的価値によって通貨ペアの価値と取引損益が決まります。
FXチャートには通貨ペアの値動きと取引高が時系列で表示され、通貨ペアのコストと過去の取引高がわかります。
FXチャートには通貨ペアの値動きが時系列で表示されるため、トレーダーは過去のレートと取引高に関するデータを追跡できます。追跡するデータからは、指標やテクニカルパターンを特定可能です。これらのパターンを使って通貨ペアを売買する好機を判断します。
確実な取引など何もないように、FXチャートを使ってレートデータを追跡し、パターンを突き止めたとしても、利益が保証されるわけではありません。ただし、チャートを使えばテクニカル分析を実行して、売買に関する決断を下す際に役に立つ情報を得ることができます。
FXチャートにはさまざまな形式がありますが、経験豊富なトレーダーがよく利用する主なチャートは次の3つに絞り込むことができます。
ラインチャートはFXレートのデータを追跡する最も簡単な方法です。前日終値からその日の終値までを直線でつないだものを数日分組み合わせて、通貨ペアレートの上昇と下落を示します。
FXのバーチャートは通貨ペアの始値と終値、その日の高値と安値をバー(棒)で示したものです。バーは縦線1本とその縦線を交差する横線2本で構成されます。
線の最下部はペアのその日の最安値を示し、その日の最高値を記す点までバーが伸びます。縦線の(向かって)左側の横線はその日の始値を指し、(向かって)右側の横線はその日の終値を指します。
3本のバーはレートの範囲を示します。縦のバーは高値から安値までの範囲が広いほど、長くなります。この情報は取引活動の状況とレート変動の程度を評価する際に役立つ可能性があります。
ローソク足はFX取引で最もよく使われるチャートの1つです。バーチャートの1種であり、その日の始値と終値、レートレンジが示されます。
レートに付けられたマークの内訳一覧は、当社のローソク足チャートガイドに掲載されています。以下では、基本的なものをいくつか紹介します。
実体はその日の始値と終値で大きさが決まり、黒か他の色で塗られている場合、その日の終値が始値を下回ることになります。実体が白か空洞の場合、その日の終値が始値を上回ることになります。
上ヒゲはその日の高値を、下ヒゲはその日の安値を示します。このように、ローソク足からは、その日の始値、終値、高値、安値、終値が始値を上回るか下回るか、レート範囲が読み取れます。
使用するチャートの種類は、取引プラットフォームの機能とトレーダーの好みに応じて異なります。サクソバンクの取引プラットフォームにはラインチャートとローソク足を使ってレートデータを評価する機能が備わっています。
ラインチャートは十分なデータがないため、パターンの特定には向いていません。そのため、パターンを見つけて、いわゆるテクニカル分析を実行するには、ローソク足チャートを使用します。
ローソク足チャートでは、10通りのFX取引パターンを特定できます。これらのパターンは各レートポイントの間を線で結ぶことで特定できます。結ばれた線で描かれる特定の形状は、強くまたは弱気トレンドが形成されつつある合図として使用されます。
FXレートチャートでよく形成される形状やパターンには次のものがあります。
チャートラインがピーク、サポートレベルまで後退(価格下落)、2番目のピーク、再び後退の順に描かれる場合をダブルトップ と言います。このパターンは相場反転が起きようとしていることを示します。2番目のピーク後、レートは前の強気トレンドに反するように推移し続けるためです。
ダブルボトムはダブルトップの逆で、レートは売り地合いでサポートレベル(直近平均値)を割り込んでから反発します。その後、再びサポートレベルまで下落してから上昇を続けます。このパターンは強気トレンドが定着しつつあることを示します。
ラウンドボトムは安値が徐々に減少してから徐々に増加するチャートパターンです。レートの急落や急騰はないため、トレンドの緩やかな反転を示す曲線が描かれます。
このパターンでは一時的な後退後にラウンドボトムが発生します。すばやい後退局面から一時的な反発/反落に続きます。これら値動きを結ぶと、勾配のあるライン2本が描かれ、カップの取っ手のような形状のパターンが浮き彫りになります。ここからレートは取っ手を外れて反転すると予測されます。
このパターンは2本のショルダー(肩)の真ん中にヘッド(頭)があるような形状をしており、次のラインで構成されます。
このラインに続いて…
このラインに続いて…
3度目の後退後にレートは下降し続け、弱気トレンドの合図となります。
ウェッジはレートがピークを打ち、先細りになりながら徐々に底値に近づいていきます。テクニカル的には、サポートレベルとレジスタンスレベルの差が縮小するとウェッジパターンが形成されます。このパターンには上昇ウェッジと下降ウェッジの両方あり、前者は弱気トレンドが、後者は強気トレンドが形成されつつあることを示します。
最高値が均衡点に達し、サポートレベルが徐々に切り上がっていくと、三角形のようなパターンが描かれる場合があります。レジスタンスライン(最高値の上のライン)は直線になり、
サポートラインは上側に傾いていきます(安値の下のラインがレジスタンスラインに向かって上方向に移動)。チャートの一点を貫く縦線を描くと、上側に傾斜している三角形になります。このパターンは強気トレンドを意味します。
下降トライアングルは上昇トライアングルの反対であり、サポートラインは直線を描くのに対し、高値は徐々に下がっていきます。そのため、サポートラインは横線になり、レジスタンスラインはサポートラインの方向へ下がっていきます。これらラインによって下方向の三角形が描かれます。このパターンは弱気トレンドの合図となります。
シンメトリカルトライアングルは強気または弱気トレンドを示す可能性があり、高値と安値が均一な一連のローソク足で描かれます。強気相場の場合は高値と安値が均一ペースで一定期間徐々に切り上がっていきます。
例えば、このパターンでは次のようにレートが推移します。
ご覧のように、高値と安値はそれぞれ呼応する形で上昇しますが、全体的には高値の上昇幅が大きくなっています。そのため、チャートにこの値動きを示すラインを引くとしたら、シンメトリカルな三角形が描かれます。
ペナント(旗のような形状)は通貨ペアレートが強気または弱気の方向で動いてから調整局面に入るパターンです。簡単に言えば、レートが急騰または急落してから、このトレンドが減速します。
例えば、上昇ペナントでは、レートは急騰したあと、しばらく高止まりしてから上昇幅を縮小し始めます。その過程でペナント形状が描かれます。上昇は緩やかになっていくものの、調整局面でのレートは急騰開始点より高くなります。つまり、このパターンを使って、調整局面のレートが高い場合は強気、低い場合は弱気と読み取ることができます。
チャートパターンの特定と同様に重要なのが、何のシグナルかを知ることです。例えば、上述したとおり、上昇トライアングルは強気相場であるか、強気地合いに入りつつある兆候を示します。ただし、パターンは完璧でないことを肝に銘じる必要もあります。
上昇トライアングルが強気パターンを示唆するというだけで、通貨ペアが強気地合いまたはトレンドになるというわけではありません。その可能性はありますが、保証はされません。チャートとテクニカル分析を使ってペアの値動きを100%確実に予測することはできません。
取引は完璧または完全でない情報を使ったゲームです。変動要因の中には既知のものもあればそうでないものもあります。例えば、破滅的な経済事象が突然発生し、市場が暴落することがあります。こうした事象は予測不能であり、将来確実に起こると断言できません。
そのため、入手した情報で、最善を尽くすしかありません。FXチャートやテクニカル分析が役に立つのはそうした理由からです。既知の変数を最大活用して、その示唆する内容をじっくり考察することは、有益な取引での決断方法と考えられます。例えば、FXチャートに引いたラインで、上昇トライアングルが描かれる場合、強気トレンドが形成された可能性を示す合図ととらえることができます。
ただし、必ずしも通貨ペアを買うべきというわけではありません。
テクニカル分析は、金融商品の価値の単なる分析手法であり、有用なツールですが、他にも方法はあります。例えば、ファンダメンタル分析や定量分析を実行することもできます。市場や自分の取引(本稿ではFX)を別の切り口から分析するのは価値があることです。
FXの取引チャートの読み方を学ぶのは切り口の1つであり、この切り口に絞り込むトレーダーもいますが、他の分析方法を学ぶことも有益であり、より効果的かつ多面的に取引できるようになります。
FXチャートの読み取りスキルや他の分析スキルを向上させる最適な方法は、デモアカウントを開設することです。実際にチャートを見ながら、仮想マネーを使ってパターンを特定する練習ができます。分析スキルに自信が持てるようになったら、ライブ市場に切り替えて、実際の資金で投資できます。