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Chief Investment Strategist
サマリー: 過去6か月間に、一生のうちに起こるかどうかという市場心理の最大の変化が確認され、金融市場と経済は、もしいたとしても(ウォーレン・バフェットとチャーリー・マンガーは例外だったかも知れません)少数の投資家以外はこれまで経験したことがない状態に投げ出されました。私たち全員が、おそらく困難な状況へと脱線することになる暴走列車に乗っていると思われることから、こうした状況は、それ自体で自信喪失と警戒心を引き起こしています。
第1四半期のQuarterly Outlookでは、エネルギーセクターの期待リターンが世界の株式市場で最も高いと述べました。この予想は的中しました。エネルギーセクターは、今年上昇している唯一のセクターです。その要因は、供給不足による石油・ガス価格の高騰ですが、その供給不足は長年にわたる過少投資の結果です。さらに最近では、ロシアに対する制裁に由来して世界の供給量が相当減少しています。S&P500のエネルギーセクターは年初から6月16日までに42パーセント上昇した一方、S&P500は同期間中に23パーセント下落しました。MSCIワールドインデックスでは、エネルギーセクターは2008年の原油価格のピークの時期におけるウェイト13.5パーセントという最大のセクターの一角から、2020年10月にはウェイト2.4パーセントの最小セクターに変化しました。mRNAワクチンの市場への投入以来、需要は急激に回復し、原油価格をユーロ建ての史上最高値に押し上げるとともに、投資水準の低さによる原油供給と製油所の能力の弾力性の低さを明らかにしました。エネルギーセクターの利益が確認されており、市場価格が急上昇した結果、同セクターのウェイトは2022年5月に5.2パーセントまで押し上げられました。
金融危機以降、テクノロジー株式が、低下し続ける金利、テクノロジー株式をオーバーウェイトにするESGファンドからの資金流入とマージンの拡大を享受してきた一方で、エネルギー株式は投下資本利益率の低さに苦しんできました。テクノロジー株式のロングと石油・ガスのショートは、14年間にわたって完璧なトレードとなり、投資家の考え方を強めました。エネルギーセクターとアーク・イノベーションETFの逆方向のパフォーマンスにご注目ください。今では、世界が現在もディーゼルとガソリンで動いていること、そして、成長し続ける私たちの富が不都合なことに炭素排出量の増加と結び付いていることを世界が認識した結果、状況は逆転しています。エネルギーセクターが他のセクターと比較して1パーセントポイント上昇するごとに、ESGはパフォーマンスに関してより大きな圧力を受けることになり、化石燃料の復活は、新たなインフレ時代の最中で、パフォーマンスの不振と天然資源へのエクスポージャーの不足に関連する資金流出に苦しむESGファンドの危機を生じさせる可能性があります。
出典:Bloombergおよびサクソグループ
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