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アナリスト/アセンダント代表
サマリー: アセンダント社の山中 康司氏による、WTI原油先物CFDの見通しと米国株CFDのピックアップ銘柄、来週の注目イベントについてのレポートをお読みいただき、お取引のヒントとしてご活用ください。
当レポートではSaxoTraderPROを使用しています。
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SaxoTraderPRO概要
サクソバンク証券では、大型株・中型株・小型株からETF/ETNまで IPO直後の銘柄を含む約3,900銘柄の米国株式CFDを提供。最大レバレッジ5倍(個人の場合)、決済期限なく「売り建て」「買い建て」がともに可能です。
米国株式CFD 6つの魅力とは
前回はドル円(USDJPY)と米国個別株CFD2銘柄を取り上げましたので、その後の動きを見ておきましょう。
(1) ドル円(USDJPY)
ドル円(USDJPY)は、トランプ大統領の関税関連の発言、そして日銀の早期追加利上げ思惑に繋がる経済指標や発言に上下する展開が続いていると書きましたが、前回執筆後から本日までも材料に変化は見られません。
関税に関しては、対北米は3月まで延期となっているもののタイムリミットは近づいていますし、相互関税制度についても4月までは調査を続けるとしながらも何らかの形で実行に移される可能性は高いと言えます。しかし、一方で米国の景気鈍化につながる経済指標も目立ち始め、関税懸念による金利上昇よりも現在では景気鈍化懸念による金利低下のほうが目立っていると言えます。
また、日銀関係者からの発言はタカ派なものが多く、先の田村審議委員による2025年度末までに1%の発言に続いて先週は高田審議委員が一段のギアシフトを進める局面と更なる早期追加利上げ思惑が強まる材料となりました。日本の長期金利が急速に上昇したことで、植田総裁が緩和スタンスという言葉を持ち出すこととなったほどです。
米金利低下と円金利上昇とが重なり、日米金利差は昨年10月2日以来の金利差3%割れとなりました。前回とは環境が異なるため単純に比較は出来ないものの、3%を割り込む金利差であり、今後も金利差縮小の動きが予想されることを考えるとドル円相場はもっと円高水準となってもおかしくはありません。
短期的には145円をターゲットに、長期的には大台140円割れを見る可能性は高いのではないかと考えています。
(2)個別株CFD
前回もautochartistによるピックアップでしたが、米国株価指数の方向性がはっきりしていないことから、買い銘柄と売り銘柄をひとつずつピックアップしました。買い銘柄がコカ・コーラ(KO.xnas)、売り銘柄は先週に続いてアマゾン(AMZN.xnas)です。
コカ・コーラ(KO.xnas)は、下降チャンネルの上抜けによる買いシグナルで、ターゲットが72.08、ストップが60.62、観察期間は24日となっていました。その後の同社株は71.77まで上昇しましたが、わずかにターゲットに届いていない状態です。ストップを持ち値まで上げ、当面はターゲットまで上げるかを見て行きたいところです。
アマゾン(AMZN.xnas)は、上昇ウェッジのサポートライン下抜けによる売りシグナルで、ターゲットが212.33、ストップが241.76、観察期間は残り1週間となっていました。その後の同社株は204.16まで急速に値を下げたことからターゲット達成です。この銘柄は先々週、先週と2週続けての売り銘柄となっていましたので、どこのタイミングで入った方もプラスで終われたと思います。
今週は久しぶりに商品CFDから取り上げます。直近ではトランプ大統領の動きで商品によって方向性が大きく異なっています。関税対象として上げられた金属は上昇していますが、原油はロシア・ウクライナの停戦期待やトランプ大統領の発言で下げています。今回はWTI原油先物CFD(OILUSconst)を取り上げます。米国個別株CFD2銘柄はいつも通りautochartistを使って見て行きます。
■WTI原油先物CFD
WTI原油先物CFD(OILUSconst)はトランプ大統領の就任前には一時80.76と80ドルの大台を上回り昨年7月以来の高値をつけていましたが、1月15日を高値にその後は急速に値を下げ、実際にトランプ大統領がプーチン大統領と電話会談を行いロシアとウクライナの停戦に向けて動き出したことから着実に水準を下げる展開が続いています。
実際の停戦は数週間以内に行われる米英首脳会談を経てからでしょうが、停戦に向けての動きに反対する国は無く、あとはロシア・ウクライナ間で双方が妥協できる着地点を見つけられるかにかかっています。トランプ大統領の発言は明らかにロシア寄りと取れますが、ウクライナ主に東部地域に埋蔵されると言われるレアアースなどを狙っていることを考えると、さすがに全面的にロシアに有利な着地点になるとも思えず、こればかりは今後の展開を見て行かなくてはなりません。
しかし、停戦とロシアへの経済制裁が解除されることとなればロシア産の原油、天然ガスの輸出が増え原油の需給が緩めば当然価格低下につながりますし、トランプ大統領は産油国に対して原油価格の引き下げを要求していることから、今後原油価格は下がりやすい地合いが続くものと見られます。ここではテクニカルな観点からの今後の原油価格の動向について見て行きます。
まずはWTI原油先物CFD(OILUSconst)の週足チャートをご覧ください。
長期的に65ドル水準が強いサポートとなっていて、今後同水準を試しに行く展開が考えられるとともに、仮に65ドルを明確に割り込んでいくようであれば、大台50ドルという水準も視野に入ってくる可能性は十分にあるでしょう。
2020年の安値0.01ドルはCFDゆえの安値で先物市場の期近物では史上初のマイナスとなり、-40.32ドルという目を疑う価格での取引が行われました。これはコロナ禍で原油の実需が急速に冷え込み、先物の在庫を保管する場所が無くなり、仮に保管場所を自分で用意する場合マイナス価格になるという懸念が実際に発生、パニックを伴う投げ売りでー40ドルというとんでもない価格をつけたことによるものです。この一件を見てもパニック時の相場の恐ろしさはよくわかりますね。
話を戻してWTI原油先物CFD(OILUSconst)の日足チャートをご覧ください。
別の引き方もありますが現状はピンクの平行下降チャンネルの中での値動きが続いていると見てよいでしょう。また下の方には複数のサポートとなり得る水平線を引いてありますが、65~67ドルの間に集中しています。今後65ドルを下回る動きになれば月足チャートで見たように大きな下げにつながりそうであることは日足チャートでも理解できます。
ここではautochartistによるピックアップをしています。ピックアップ基準は以下の通りです。
資産クラス=個別株CFD
確率=70%以上(選択肢が少ない場合は65%以上)
チャートパターン=ブレークアウト
キーレベルパターン=ブレークアウト
間隔=4時間足+日足
このフィルターでスクリーニングをかけ、可能な限り経過本数が少なく、かつなるべく信頼度が高い(濃いグレー)米国株のCFDを選びます。
引き続きautochartistのピックアップですが、ここに来て米国の景気減速懸念が強まっていること、autochartistでは売りの銘柄しか出て来ないことから今週は売り銘柄を2銘柄ピックアップすることとしました。クアルコム(QCOM.xnas)とウォルマート(WMT.xnys)です。
(1)クアルコム(QCOM.xnas)
クアルコム(QCOM.xnas)はモデム(通信)チップとモバイル等で使われるsnapdragonのチップで有名ですね。アップルが最近発表したiPhone16Eではモデムチップにクアルコム製を使わず自社製チップに切り替え、今後2年程度でクアルコム製チップを使わなくなる
Supportレベルの上抜けによる売りシグナルで、ターゲットが152.18、ストップが176.78となっています。観察期間は34日と1か月以上あるのでしばらく見て行きましょう。
(2) ウォルマート(WMT.xnys)
小売大手のウォルマートですが直近では105ドルを超える史上最高値をつけていましたが、景気減速懸念が出て来ているとを考えると調整もやむを得ずといったところでしょうか。
上昇チャンネルの下抜けによる売りシグナルで、ターゲットが89.95、ストップが105.23となっています。観察期間は15日と約2週間です。ターゲットは年初来安値水準になっていますが、そこまで下げたらもう少し行きそうな感じもします。
日本では日銀の早期追加利上げ思惑、米国では関税問題と景気鈍化懸念、欧州では米国主導で動いているロシア・ウクライナ問題が現在の大きなテーマではありますが、特に日米の金利市場の動きが円相場に大きく影響を与えています。
先週の振り返りで日米金利差と円相場について、昨年10月2日以来の金利差3%割れと書きましたが、今も日米金利差と円相場の相関は非常に高い流れが続いていますので、今週は最後にこれらの動きを比較したチャートを載せておきましょう。
ローソク足がドル円日足(左軸)、青のラインが日米10年債利回り差(右軸)、サブチャートはそれぞれの20日間での相関係数です。ほとんど同じ動きをしている中で直近では円相場での円高ペースが追い付いていないという状況が見て取れます。
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