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サマリー: EU加盟国はEU軍創設に動き出します。新たなEU軍の資金調達のためにEU債が発行され、EUのソブリン債市場が厚みを増します。
真の経済・政治連合であれば、国家の安全保障は最優先事項のひとつでなければならず、特に戦争がその国境に迫っている場合はなおさらです。
第二次世界大戦後、西ヨーロッパは直接的に、またNATOへの広範な参加を通じて、米国の傘の下に置かれていました。冷戦終結後、国防の優先順位はさらに低下しました。そして「テロとの戦い」という、国民の想像の中では大きくとも、実際には拡散した、さほど大きくはない脅威にのみに焦点が当てられ、一方、戦争地域はイラクとその周辺、そしてアフガニスタンを中心とした広範囲に及んでいました。しかし、ロシアのウクライナ侵攻は1945年以来、最大の戦争を欧州にもたらし、2022年の米国中間選挙では右派ポピュリストの共和党議員が大きく躍進し、トランプ前大統領は2024年の大統領選への出馬を表明する勢いです。2023年には、欧州が連合の防衛体制を整える必要があることがこれまで以上に明確になります。ますます予測不可能になっている米国の政治サイクルにも頼ることが出来なくなり、おそらくウクライナとロシアの休戦後、米国が欧州に対する従来の関与を完全に撤回するリスクに直面する可能性もあります。
2023年の大きな動きとして、全てのEU加盟国は2028年までにEU軍を設立する方向に向かい、完全に有人で展開可能な陸・海・空・宇宙ベースの作戦部隊の設立を目指し、20年間にわたって提供される10億ユーロの資金で支出を賄います。2025年までには、EU加盟国20か国以上が参加するEU緊急配備部隊を整備することが計画されます。新たなEU軍の資金を調達するために、EU共同債を発行し、各加盟国のGDPに応じて資金拠出を求めます。これにより、EUの国債市場は飛躍的に進化し、巨額の投資増加を背景にユーロは力強く回復します。
市場へのインパクト:欧州の代表的な防衛関連企業の銘柄は、欧州株全体を25%アウトパフォームし、新たな欧州防衛ETFの組成を促し、投資家の強い関心を集めます。